GAFAM リサーチ① AMAZON編
GAFAM リサーチ① AMAZON編
本リサーチは1時間以内で、ザクっとGAFAMについて調べるモノです。ETF銘柄のQQQへの投資継続はほぼ決めていますが、改めて対象企業を調べて書くことにより自分自身として整理の意味もあり取組んでいます。
さて、アマゾンについて。
売上、利益はきれいな右肩上がり。AMAZONといえば利益を全て再投資に回して純利益を出さないイメージがありましたが、ここ数年は純利益が増加傾向です。配当は引き続きゼロです。
株価は過去5年で約6倍になっています。 暴落前の高値を軽々クリア。GAFAMの中でもひと際強さが目立っています。
AMAZONの売上比率は以下の通り
<売上比率>
・オンラインストア(50%)
・実店舗(6%)
・サードパーティーセラーサービス(19%)
・サブスクリプションサービス(7%)
・AWS(12%)
アマゾンの売上の中で利益率が高いのはクラウドサービス。AWS=アマゾンウェブサービス 世界中のデータセンターから175以上のサービス機能を提供しているクラウドコンピューティングのこと。AWSで稼いだ金額をオンラインストアやサブスク事業の先行投資に振り向けている状況のようです。
トヨタグループの自動運転システムもAWSのクラウドサービスを利用して開発が進められているとのこと。地図=Googleのイメージがあったので、これは少々驚きでした。地図の更新情報など車両についているセンサーから読み取った情報をAWSのクラウドに収集・分析しAWSのクラウドから各移動体に制御に関する情報が配信されるイメージのようです。 他にも自社(本業)で使っている、人事管理系WEBサービスが実はAWSクラウドを活用していることが分かりました。
アマゾンの小売り分野はamazon(JP)のイメージでいうと、中国人セラーが低品質の商品を販売したり、日本人セラーの妨害をするなどあまり良い印象がありませんでした。また、サブスクに関しても競合が沢山あります。Shopifyやその他Eコマースなど競合も多くその部分しか知らなかったためアマゾン株にはかなりネガティブなイメージがありました。しかしながら、クラウドが利益源ということで大きく見方が変わりました。
今後このような大型成長株で再投資により利益が出にくい会社をどのような指標で評価するべきか自分自身の課題として研究したいと思います。ベゾスCEOが言う通り、売上の伸びを見るしかないのかもしれませんね。今まで自分は日本の成熟企業を中心に投資をしてきたので、PERとEPSを見ておけば割安かどうかの判断をつけられましたが、GAFAMは割安かどうかのイメージが直近の決算を見ただけではつかない状況で感性にかなり頼った投資となっています。
次回はフェイスブックを取り上げます。
株式投資 暴落・不景気に買う気構えを作る②
暴落・不景気時に買うスタイルを決めるにあたり、最も影響を受けたのがさわかみ投信元代表の澤上篤人さんです。
今から10年以上前から日本に長期投資を根付かせようと活動しており、ファンドや書籍を通じて私もその影響を受けてきました。私自身、いわゆるバフェット本、ウオール街のランダムウオーカー、ピーターリンチの株で勝つなど欧米系の書籍も何冊か読みましたが、すっと受け入れられないというか腹落ちせずに表面を流れていく感覚がありました。
対して、澤上氏の思想はどれも腹落ちするものばかりで、私の投資スタイルそのものと言っても良いほど影響を受けています。なお、現在はご子息が当ファンドを継いでおり正直言ってその手腕は未知数と言ってよいと思います。ですので、私自身現在は当ファンドへの投資は抑え気味にしています。
澤上氏の代表的な考えは以下のようなものです
①自信を持って価値判断できる会社しか投資しない
さわかみファンドはマクロ経済分析(=世の中こうなるという推論)と企業分析を徹底的に行った後、企業にインタビューを行い仮説を検証したうえで投資判断をしています。良くわからないもの、理解できないものは手を出さないというスタンスが一貫しています。個人投資家で損益計算書(PL)は見る人は多いと思いますが、当ファンドは貸借対照表(BS)を数年分読み込むことで企業の真の姿を見ることができるとしています。私も日本株は当ファンドの組み入れ銘柄から選択しています。私自身BSを何期分にも渡りその企業をウオッチする時間は無いため、この手法により財務的に問題のない会社を選択できるという安心感があります。
過去に住金(現日本製鉄)が50円を切っていた株価の時に当ファンドのポートフォリオのTOPになっており、「大丈夫かな?」と見ていましたが、原油需要増→シームレス鋼管の大幅増産という推論がものの見事にあたり10倍程度の株価になった状況があり大きなインパクトを受けました。2010年前後に世界経済が低迷している時期に優良日本企業を徹底的に買い、5倍以上の株価となった会社が続出していました。
②いつも現金からスタートする
普通の機関投資家の運用では、株式・債権も目いっぱい詰め込んだポートフォリオを作成しますが、市場の急落などに備えてヘッジをかけておく必要があります。ヘッジを掛けるにもある程度コストが必要でそのコストは運用リターンを削ぐことになります。
一方、余裕のある個人や長期投資の思想を理解した人だけが集まるファンドは、「いくらでも待つ」というスタンスが取れます。市場の動きが無いときは「徐かなること林の如く」で現金運用しておき余分なコストをかけずに待つことができます。
③売り一色で買う理由がつかない時に買う
良い投資は「余剰資金を自分の理解できる企業が安いときにのみ投資する」というもの。また、投資運用とは「将来の納得に対し、現在の不納得で行動する」もの。投資価値が時間の経過とともに高まっていくものを市場の評価が遅ればせでついてくる状況を良しとしています。以下、澤上氏のコメント抜粋です
現在の不納得で行動するということは、今ここで買いに走ると「どうしてこんな先行きの見通しが悪いときに買うの? 損するだけだよ」と万人から戒められるときにあえて買いに走ることを意味する。投資運用とは安く買うことに尽きる。皆が不納得の時にあえて買おうとするわけで、そんな行動を説明できるわけがない。これが投資運用の本質である。
※次号に続きます。
株式投資 暴落時・不景気に買う気構えを作る①
*初めてブログ書きます。ツイッターとの連携が上手くいくかどうか不安ですがトライしてみます。
暴落時、不景気時には安く株を買うことが出来ますが、いざチャートが下降線をたどると「もっと下がるのでは」という心配から中々買えない人もいると思います。
定期的に買う手法も王道とは思いますが、暴落時、不景気時に買って、景気が良くなった時に薄く売っていくとトータルでのパフォーマンスは上がるものと思います。私が暴落時に買うというスタイルを固めるに当たり印象に残った本を数回に分けてご紹介します。
本多静六 「私の財産告白」
https://www.amazon.co.jp/dp/B00H1MDLRY/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
本多静六は明治〜昭和初期に活躍した造園家、林学博士で日比谷公園の設計にも関与しています。徹底的な倹約で種銭を作って逆張り投資をするスタイルで財を成していきます。給料の25%は自動的に投資元本に回していました。(ツイッターでFIREを達成した人に共通するスタイル)
関東大震災の後に東京電力株を「下がり過ぎだろう」と資金が許す限り買い大きな利益を得ました。また、山林の専門家であった本多は二束三文で売られていた山林を買いあさり、日露戦争で材木の需要が生まれ70倍で山林を売却したといいます。
この本で私が一番印象に残ったフレーズは
「好景気には勤倹貯蓄、不景気には思い切った投資を」
という本多のポリシーです。バフェットのバークシャーハザウエイ社も好景気の終わりには現金比率を高めて次回の暴落時に仕込む資金を用意しており、巨額の富を作る人に共通な現金⇔資産の動かし方を見ることができます。
利食いに関して本多は、2割上昇したら利益確定を部分的に行い、株価が倍になった場合は半分を売却しその他をホールドする手法をとっていました。(利益分だけを現金化するということ)。元本を確保した上で上値を追うという形を取り、景気の循環を経る毎に巨額の富を得て現在価値で100億円ほどの資産を投資で形成しました。
株式投資のスタイルだけではなく、有益な人生指南も本書には散りばめられており、中でも本多のいう「職業の道楽化」というキーワードは私自身の「どうせ人生のかなりの時間を使うなら、仕事は楽しんでやるべし」というスタイルにもつながっています。本多のように財を成した人でも仕事をやめずに「人の役に立つ仕事」が豊かな人生につながるということで、その結果が日比谷公園の設計などの大仕事に顕れています。
長期投資を行う際の参考となるばかりでなく、人生指南も濃い内容で書かれている一冊です。短く印象に残るフレーズが数多く登場しますので、読んで終わりの本でなく良い影響を与えてくれている本なのでご紹介をさせていただきました。